伝説のアングラー　前編

ずっと書きたかった話があります。

そう、あれは、俺達がシーバスを始めて間もない頃の話だ。

そこには確かに、伝説のアングラーがいた！！！








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シーバスを釣るにはどうすればいいのか、試行錯誤しまくっていた頃の話だ。

最初の一匹がなかなか釣れず、悩むナミボー。

バチ抜けなら簡単に釣れると教えられたが

そもそも何処へ行っていいのかがわからない。




それでもなんとか


ボラ１０　シーバス１　


圧倒的ボラ有利のボラの巣みたいなところで

ボラの連打にも負けず、苦労してファーストシーバスをゲットする。

だが、あまりにもボラが多すぎて戦意喪失。



「オイオイ、車がボラ臭くてゲロ吐いちまうよ！」




新たな場所を開拓しようと

ジョウタロウの思いつきで行ってみたポイントが

まさにシーバス天国！！！



今はシーバスアングラーで溢れかえっているのだが

その頃はアングラーなぞほぼ見かけなかった。




いや、たった一人、例外的にそこにずっと通いつづけているアングラーが居た。







長髪を後ろに束ね、見るも物々しい装備から

我々はそのアングラーをSAMと呼び恐れていた。









「ひぃ！またSAMおるで！」

「そうっすね、このポイントってあの人しか見ないっすね」

「なんか物々しい装備やでぇ～」

「よ～け釣ってますよね、あの人」





ある日、ド素人アングラーの我々は微妙な釣果に終わり、意気消沈して帰っていると

SAMが見た事もないぐらいデカイシーバスをリリースしている！

あきらかにランカーはあろうシーバスを蘇生させ、優しくリリースするSAM。




思わず駆け寄り、声を掛けるナミボー、バナナ、まさひろ。




ナミボー「すごいっすね！何センチありました？」

SAM「８５ぐらいかな。」

まさひろ「ひぃ！デコイで！何本釣りましたの！」

SAM「今日は８０アップ２本釣りましたよ、後は忘れました」

まさひろ「ひぃ！ランカー２本！！！！」

バナナ「ルアーなに使ってはるんすか？」

SAM「ここはルアーと言うより、色かな。あ、君が使ってるルアー赤金やんな」


そう言って、ナミボーのロッドに付けているヤル気スティックの赤金を指さすSAM。


ナミボー「あ、ヤル気の赤金っす！」

SAM「それ、正解！」


そう言い放ち、ポーズを決めるSAM





一同「ひぃ！！かっこエエでぇ！！！」






完全にSAMに魅せられてしまったド素人三人組。




SAMと別れた後も、


ナミボー「俺、正解って言われた！俺の赤金正解なんや！全然釣れへんかったけど！！！」

まさひろ「ひぃ！うらやましいでぇ！僕もSAMに褒められたいでぇ！！！」

バナナ「一日にランカー２本て！SAM絶対プロでしょ！」



一同「いつかはSAMみたいになりたいなぁ～」





完全にSAM信者と化した３人。

それ以降、買うルアーは常に赤金。

常夜灯とか関係なく


ルアー＝赤金＝偉大なSAMの教え



みたいな、謎の方程式すら出来上がってしまった。



その後も、度々現場でSAMを目撃する。



まさひろ「今日は何匹釣れました？」

SAM「今日は全然ダメでした。４匹だけでしたわ」

まさひろ「４匹！ひぃ！すごいで～！」

ナミボー「なんでタモを洗ってはるんですか？」




わざわざ持参したペットボトルの水でタモを洗うSAM。




SAM「ああ、これ？シーバスとはいえ、臭くなるでしょ。車が臭くなるのがイヤなんで洗ってるんすわ～」


そう言いながらハニカムSAM。




ナミボー＆まさひろ「なんかわからんけど、かっこエエでぇ！！！」




それ以降もチョイチョイ現場でSAMを目撃するのだが

バチ抜けシーズン以外で会う事はなかった。



まさひろ「SAMはバチの時以外はどこで釣ってるんやろ？教えてほしいでぇ～」







しばらくすると、ド素人だった我々も成長し

まあまあの確率でシーバスに出会える事が出来るようになった。

僕も、ひょんな気まぐれからブログなんかを始めたりしていた。
（誰にもブログの存在を教えなかったので、この頃がある意味一番楽しかった）






そしてまた、バチ抜けシーズンが始まった。

ある日、一人で釣りをしていると、突然SAMが近寄ってきて



SAM「なぁなぁ、自分、ブログやってない？」

ナミボー「え？はぁ、一応やってますけど・・・・」

SAM「そうやんな！ブログ見てるで！」

ナミボー「ホンマですか！あんなクソブログ見てるんすか？」

SAM「実は俺もブログやってるねん」




やっぱり！！！

このとき、ナミボーの心の中では


やっぱSAMってプロやから釣りブログとかやってるんだ！！！


と、心に去来するものがあった。



ナミボー「なんて名前のブログなんですか？」

SAM「ああ、浮き輪星人のなんか釣れてますか？っていうんやけど」

ナミボー「え？！・・・・・浮き輪！？」

SAM「そう、浮き輪星人っていうねん。」



はぁぁぁあ？なんなんだよ、浮き輪星人て！！！

どーゆーことだよ！！！








後編へ続く




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