サーモンフィッシング2014後編 生命を繋ぐもの 

ナミボー

2014年11月21日 09:17

残り14








釣行終了後、昨日の分も含めて捕獲した鮭を捌いてもらおうと漁協組合の

「ここで有料で鮭捌いてやっからね!但し、少し高いよ!」
的な

貼り紙の地図を見て川の対岸に向かう。


「えらい遠いよなぁ」


そんなことを思いながら小さな支流沿いを走っていると


「あれ?こんな小さな川にも鮭、のぼってきてね?」






どうしようもないぐらいショボい支流を必至こいてのぼっている鮭の姿が。


「うわ!のぼってるやん!こっちちゃうやろ!」


川幅はドンドン狭くなり、もうビビるぐらい小さな用水路に






「なんじゃあ!!!これはー!!!」


ジーパンも真っ青の絶叫をあげるナミボ。



え、もしかして、もしかして







「うわ!すんごい数があがってきちゃってるよ!」



しむらー!うしろー!!!並みに絶叫したくなるぐらいに

後退のネジが外れた鮭どもがワンサカしている。


こ、これは…いったい???


鮭がクソたまってるプールを尻目に





捌き場でおばさんに話を聞くと


ここは漁協の採卵場で、本流から引きこみを作り

ここにあがってくる鮭から卵と精子を奪い取って、それを孵化させて

稚魚になってから放流しているらしい。


目の前で腹をさかれてプリプリのいくらさんを採られる鮭達。


むむむ。


あんだけ苦労して釣ったのに没収されてしまったメスの鮭が

ここではいともたやすく捕獲されてしまう。


なんせ今年は豊漁らしく、鮭も4年モノの大きいものがたくさん帰ってきているらしい。

中には小さいのもいるが、それは1~2年モノだそうで

鮭は基本3~4年で帰ってくるそうなのだが、個体によっては

1~2年でも帰ってくるそうだ。

現に釣り場でも小さいのが釣れているのを目撃していた。

その年帰ってくるはずの鮭に何かあった場合、他の年の鮭達でカバーするのだろう。

多分そうやって種の存続を図っているのだ。


「この子たちにも使命があって、こんな小さくてもあがってくるんだろうねぇ」


そう言いながら小さい鮭の頭をどついて卵を取るおばば。



なんか・・・・無性にせつねえよ!!!!



外では


ボコン


ボコン




アホほどあがってくる鮭を捕まえ

こん棒で頭をど突いてリフトのカゴにボンボン放り込むおっさん達の姿が







この方法だと高確率で孵化するので、自然界で産卵するよりも効率は良いだろう。

産卵を終えたらボロボロになって死んでしまう命だから大差ないのかもしれない。


でもなぁ・・・・


これってなぁ・・・・



なんか無性に切ない。


正直みたくなかった気がするが、真実ってこんなものなんだろう。

漁協の人も別に鮭が憎くてやってるわけじゃないのは勿論わかる。

自然界で厳しい競争を勝ち抜いて、より強い鮭だけが子孫を残せるっていう法則からも

少し外れてる気もする。

でも、人が勝手に川に堰を作ったりしてどうしても越えられないような障害を作っている現実もわかる。


この鮭達の子孫も何年かのちにはこの採卵場に帰ってきて

頭をど突かれて卵と精子を採られてしまうのだろうか。




一匹でも多くの鮭達が、この採卵場ではなく、上流を目指し

ボロボロに傷つきながらも交尾をして次の世代への架け橋とならんことを切に願うナミボであった。



あと、あんだけ苦労して釣ったのに・・・・なんだったんだ。




追伸 今年はなんにせよ豊漁だったらしく

釣り場でも漁協のおばばに

「もうメス規定以上おるねん~。もうメスいらんねん。決まりやからもらっていくけど、メスいらんわ~。めんどくさ~」

と言われたのが今でも腹立たしい。

イクラ・・・・・喰わせろ・・・・バカヤロ!!!

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